Exhibition

片山初音・槙原泰介|都会化された荒野で In an Urbanized Wilderness
2023.2.25 - 3.28

片山と槙原は、ともに存在する地平の多層性や不確かさに強い関心を持ち、場所と事物や技術との関係性そのものを作品化してきました。昨年5 月には、それぞれの活動と並行して協働プロジェクトを立ち上げ、長野県の山荘での2 人展を開催いたしました。片山は山荘に隣接したウッドデッキをそこから見える林の中にもう一つ制作し、漠然と形式化された視線と眺望の関係を交錯させることで、その場を野生的とも言える視線から捉えなおす作品を制作しました。槙原は周辺にあった岩石を洗浄することで、岩石の表皮を露わにし、周りの木々や植物との視覚的な対比によってその環境における歴史や時間を錯綜させる作品を残しました。都会と荒野という両極に示される場所のあいだを制作のフィールドと捉えた両者の作品は、人工と自然の中間領域に存在する物質や構造の組み合わせによって、そのグラデーションの中に定義されずにあった存在を浮き彫りにしています。
本展は、山荘での石と場を巡る思考を、東京・三宿という都市部において反芻する試みです。片山は不可視な地下構造への考察を反映した木材の立体作品を、槙原はコンクリート部材を使用した水性石版画を、新作として展示いたします。昨年のプロジェクトのアーカイブと共に、ぜひご高覧下さいますようお願い申し上げます。

-

片山初音 Hatsune Katayama
木や網、土などを使用し、環境の条件を変えることで場を変貌させるインスタレーション作品を制作。意識下で慣例化された環境や、事物が存在する場としての環境に関心を持ち、その場所を捉え直すことでそこに存在する主体について思考します。それはその先の共同体を見つめることにつながると考えています。
1998 年生まれ。2020 年武蔵野美術大学卒業。最近の発表に「都会化された荒野で」(長野県南相木村山荘/2022)、個展「蓄積を / にたつ」(FAL/2021)、個展「足の下のかたさ」(LIVE スタジオ696 倉庫 /2021)等がある。
www.hatsunekatayama.com


「Wood deck」 長野県南相木村山荘でのインスタレーション/2022

槙原泰介 Taisuke Makihara
修復や補修、その前後に生じる差異といった副次的な形の作品化を発端として、既存の物や空間にアプローチするインスタレーションを行っています。工業製品・インフラ資材の属性や用途を切り離して展示会場に移設し、地面や起伏として見立てるなど、都市の現在とその起源を反映した修景(landscaping)を作品としています。
1977 年生まれ。2003 年武蔵野美術大学大学院修了。第2 回資生堂Art egg 賞。文化庁在外派遣研究員として渡英(2009−2011)。最近の発表に「都会化された荒野で」(長野県南相木村山荘/2022)、「それぞれの山水」(駒込倉庫/2020)、「犬死にか否か」(TALION GALLERY/2017)等がある。
www.taisukemakihara.com


「12 Raw stone」 長野県南相木村山荘でのインスタレーション/2022

-

会期:2023年2月25日(土) - 3月28日(火) 11:30-20:00[水曜定休/店の営業に準ずる]
オープニング・パーティー:2月25日(土) 18:00-20:00 ※BBQ +1drink 3000円

展覧会ウェブサイト
お問合せ:inanuw.sansou@gmail.com

助成:公益財団法人小笠原敏晶記念財団

-

※SUNDAY と同じビル内のCAPSULE では、以下の展示が同時開催されております。
「Sub Anaglyph」石井友人 Tomohito Ishi
2023年2月25日(土)- 3月19日(日)12:00-19:00 土日のみ開廊
オープニング・パーティーはCAPSULE での石井友人個展と合同になります。
https://capsule-gallery.jp/
OPEN 11:30-21:00 (L.O 20:00)
[水曜定休]
東京都世田谷区池尻2-7-12 B1F
Tel 03-6413-8055